散歩部特別編 夜桜行脚2019
本物の"闇"と向き合う道。
気のおけない仲間達と、独身最後の旅。
~FINAL FANT
ASY~
TRPG gamers散歩部です。
書こう書こうと思いながら早半年。
散歩部の平成最後にして最大、そして私の独身最後にして最大の旅の記録をここに残そうと思います。
友人に「え? それ実質FFじゃん」と言われたこの旅、平成で最高の"非インスタ映え"を──
■登場人物
カヨト :比較的独身終わり枠
Prompt :比較的お調子者枠
ヤマディオ :比較的肉体派
さて、今回の旅ですが、まずはこれを見てもらうのが一番早いかと思います。
「中禅寺湖、〒321-1661 栃木県日光市中宮祠」 から 「ろまんちっく村、〒321-2118 栃木県宇都宮市新里町丙」 までの徒歩ルートを計算できませんでした
計算できませんでした。
Chapter.0 宇都宮決戦
我々は宇都宮に行きました。
ヤマディオが列車を間違え合流が遅れ、自分とPromptは途中駅で一時間ほど寒空の下で遊戯王の構築の話をしていました。
シューティングクェーサーのフィールド離れた時効果をうまく使い、シューティングスターを量産したいデッキの話で盛り上がっていたと思います。
宇都宮駅に到着した我々は、ほどよくはしゃぎました。
よかったですね。
(当記事は散歩をした事実を備忘録的に記載するだけのものなので、グルメレポート的要素を一切含みません)
Chapter.Ⅰ 旅立ち
必要なものを全て宇都宮駅でそろえた我々は、日光まで向かいます。
この時点で、ほぼ終電。日光駅こそポイント・オブ・ノーリターン。
すべてのはじまり。
日光駅を出た我々は、タクシーを捕まえました。
運ちゃん「お兄さんたち、今日はどこまで?」
カヨト「華厳の滝までお願いします」
運ちゃん「華厳の滝!??!?!?!!?」
運ちゃん「えっ、華厳の滝、何しに行くの?」
ヤマディオ「いやー、歩くんすよー」
運ちゃん「えっ、歩く??? どこまで???」
Prompt「やーーー、宇都宮まで、っスかねーーー」
運ちゃん「宇都宮!??!?!?!?!!?」
そう、今回は特別編。
夜桜を見ながら歩く、ただ、練り歩く。
ただそのためだけの企画。
いろは坂を歩きとおし、日光街道をゆき、宇都宮まで至る行脚の路。
運ちゃん「いや、頭イッちゃってるねえ……」
ヤマディオ「ヘヘッ」
ヘヘッ
Chapter.Ⅱ 滝
Prompt「どう、華厳の滝、見える?」
カヨト「見えないけど感じるな。確かにここに……」
ヤマディオ「あるね、滝。音だけ聞こえる」
Prompt「写真撮るよ!」
ヤマディオ「どう?」
カヨト「くっっっそ寒い」
2019年の4月始め、夜中の日光山奥はとんでもなく寒い。
見た目以上に着こんではいたものの、それでもかなり冷えましたね。
左に置いてあるのは今回の生命線、手持ちランタン。
Chapter.Ⅲ 広がる闇
さて、散歩部は「成す」ことが目的とはいえ「はじまり」を軽視してはならない。
我々はスタート地点を入念に決定。
戦場ヶ原か、中禅寺湖。
多数決の上、中禅寺湖から今回の行脚がはじまった。
Prompt「湖……? ある?」
カヨト「闇と表現したほうが近いかもしれない」
ヤマディオ「落ちるなよ」
Prompt「ライディングデュエル・アクセラレーションじゃん!」(?)
カヨト「おい、あれ!」
Prompt&カヨト「オーバー・トップ・クリアマインドじゃん!!」
ブルーノ、見つけたぞ!
Chapter.Ⅳ 徒歩不可神話の再来
いろは坂へ向かう道はほとんど街灯もなく、真の闇。
手提げランタンとジョブズの光によって、道を切り開いていきます。
前提としてなんですが、写真に写せる場所しか撮れていません。
つまり、今皆さんが見ているのは最も明るい場所です。
夜目に慣れてくると、山の下に広がる景色は中々悪くない。
いざいろは坂、徒歩で下って候。
振り返れば街灯が星の光のように見えたり、
マジの頭文字Dの世界観がそこにはあったり、
どんなロケーションでも、いや、こんなロケーションだからこその新鮮な散歩がそこにはあった。
たったひとつの本当の暗闇。
いろは坂に桜を見ることはできないものの、我々は実に多くの感動を受け取ったはず。
Chapter.Ⅴ 暗雲
いろは坂を無事下った我々一行を出迎えたのは、坂でカーチェイスをしていたカッチョイイ車達、まだ続く山道、暗闇、そしてシカ。
ここらへん。(google map)
ここから街に出るまでの川沿いの夜道は非常によかった。写真はない。
Chapter.Ⅵ 奮起
日光の町をネリネリと歩き、「さっき見たね」とタクシーの車中から覗いた景色を懐かしみながら、我々はとある場所まで足を延ばした。
そう、日光東照宮。
埼玉県民はおよそ皆、小学校時代にここを訪れるもので、20年ごしの社会科見学。
あの頃の思い出がよみがえり、風が語り掛ける……
たくさんの人。
まぶしい太陽の光。
じりじりとした暑い陽気。
あの頃とは全てが変わってしまった。
そこには、ただ我々だけがいて、
闇が全てを覆いつくしていて、
凍えるような寒さがあった。
そして最もあの頃と違っていたのは、心の底から楽しかったこと。
当時1mmも楽しくなかった社会科見学とは違う。
正直歩くのも、歴史的遺産を見るのも苦だった自分が、平成のはじまりと終わりで、ここまで変れたのかという不思議な感慨があった。
唯一変わらないのは……遊戯王カードの話をしていることくらいか。
(20年前の自分、ハーピィズペット竜のウルを失くしたのは恨むぞ)
Chapter.Ⅶ 三人旅
折り紙の自販機。
みやびですね。
街に出るとそれなりに面白いものが目に付くようになってくる。
しかし人はいない。
ここまで来ると、少し明るくなってきた。少し。
途中でコンビニに寄って少し補給、10分ほど休憩してまた再開。
Chapter.Ⅷ 街出
ひときわオシャレな街並みを歩き去ると、後はただひたすらに、日光街道の洗礼が待ち受けていた。
散歩は様々な道や見慣れぬもの、様々な気付きを楽しむものだが、長く歩いているとそういったものと出会わない、死の路を突き進むことがままある。
そして、この先がまさにそうだった。
歩くことを想定されていない、車だけに人権が許された道。
宇都宮まではずっと、その道だった。(@30kmほど)
Chapter.Ⅸ それぞれの使命
宇都宮に辿り着くまでに撮られた、最後の写真。
最後の日にはこの一枚を持っていくかもしれない。
今回の行脚で唯一発見した桜。(正直時期外れだったので)
よかったですね。
Chapter.Ⅹ 散歩王たるもの
「Promptがヤバいぞ!」みたいな状況にPT全体でしょっちゅう陥りながら、PINCH状態をマウンテンデューで回復したりして無理くり進んで行った。
夜も空け、曇天の空が眩しい。
体力を奪われる激寒山道強行軍、そして完徹。正直キツかったですね。
しかしなんとしてでも人里には辿り着かねば終われない。
(マジで何もない隔絶された地なのでリタイアとかはそもそも選択できない)
そして、成さねば終われない。
この一夜で一年分のワクワクを得たので大収穫ではあったものの、それだけでは終われんのです。
我々は本能的な欲求を口にし始め、それが目的となっていきました。
Chapter.Ⅺ 温泉に傾く世界
死力を尽くして辿り着いた、宇都宮の人里。
ろまんちっく村。
明るいですね。
一応ここでゴールです。約50km。
その後、我々は「宇都宮天然温泉ゆらら」へ。
「恐ろしく寒い山道を完徹で50km歩き切った後での温泉」は格別です。
皆さんも是非試してみてはいかがでしょうか。